タイ旅行・出張で日本円をタイバーツへATMで引き出す際、「WISEデビットカード」「クレジットカード(キャッシング)」のどちらがオトクかを気になりますよね。メリット・デメリット、そして実際に10万円を引き出した場合の費用差まで、最新の料金体系で検証してみました。
先に私の場合の結論から申しますと、そこまで違いはないけど、手元のスマホで資金の流れが分り、繰り上げ返済の手間が無いので、WISEカードを利用するのが良いかと思います。
1. タイでのATM現金引き出し基本情報
- タイのATM手数料
現地ATMでは200〜220バーツ(約900円)の手数料が1回ごとに必ず発生します。これは日本発行のカード全般で共通で、ATM操作画面でも手数料がかかると表示されます。ただ実際にはクレカでキャッシングした場合請求されないようで、私も今まで請求されたことがありません。
また、WISEカードはマスターカードなので請求されます。
WISEカード:220バーツ請求される
クレカ:手数料不要 - 為替レート
WISEカード:世界標準「ミッドマーケットレート」
クレカ:クレカの独自換算レートで、1.5%ほど世界標準レートより悪い感じです。
2. WISEカードでATM引き出し

WISEカードは海外旅行や出張、留学などで現地通貨をオトクに取得したい方に最適なデビットカードです。多通貨管理、低手数料、簡単なチャージ、ATMでの現地通貨引き出しなど、利便性とコスパの高さが魅力です。
WISEカードのメリット
- 両替レートがほぼミッドマーケットに近く透明性高い
- 約40通貨の同時管理・利用が可能
1枚のカードで多通貨を管理でき、外貨のまま決済や引き出しができます。 - 両替手数料が格安
通貨別口座(バーチャル)に日本円などからレートが良いタイミングで両替しておきます。
両替金額の0.84%〜0.89%程度の低手数料で両替可能です。 - 両替レートが良いタイミングを選択できる
チャージ済みであれば、その金額をレートの良いタイミングで変換することが可能です。
また、「自動両替」機能を使うことで、指定した為替レートで通貨の変換(両替)を行うことも可能です。 - ATM引き出しも月2回・3万円まで無料
通貨別口座(バーチャル)に現地通貨があればいくらでも引出無料です。
無い場合は、日本円からの自動両替後に、海外ATMから現地通貨引き出しとなります。
月2回・3万円相当まで手数料無料で引き出せます。
それを超えると手数料(金額の1.75%)が発生しますがそれでもクレジットカードの手数料(9.3%EPOS)よりかなり安いです。 - 年会費無料・審査不要
年会費がかからず、デビットカードなので、クレジットカードのような審査も不要です。 - アプリで管理が簡単
利用通知や残高確認、カード凍結などもアプリで即時対応できます。
WISEカードのデメリット
- カード発行手数料がかかる
リアルカード発行は1,200円(初回のみ)必要です。現地通貨をATMで引き出さない場合は不要ですが、もちろん私は発行しましたよ。 - ATM引き出しの回数・金額制限
通貨別口座(バーチャル)に現地通貨があればいくらでも引出無料ですが
現地通貨がない場合は以下の制約があります。
3万円まで手数料無料
3万円を超える場合、手数料は1.75%
3回目以降の利用は+70円の手数料が発生します。
3回目以降でもお得ですすが、事前に現地通貨口座へ両替をしておくのがお得です。 - チャージ金額以上は使えない
デビットカードなので、口座に残高がない場合使うことが出来ません。オンライン銀行を利用しているのなら海外でもチャージできますよね。逆に言うとそれ以上使えないのでスキミング被害などの場合も安心です。
また、別の意味ではカード詐欺にあっても、チャージされている金額以上には被害が広がらないというメリットにもなります。 - ポイントやマイルは貯まらない
WISEカードを使って支払いをしても、クレジットカードのようなポイント還元はありません。 - サポートがオンライン中心
トラブル時はオンライン対応となり、即時解決が難しい場合も。
3. クレジットカードでATM引き出し

メリット
- クレジット/デビット兼用用途が多いので使い慣れている
- 商品が壊れてしまってもカード保証で対応できることもある
- 日本発行のクレジットカードは、ATM現地手数料が請求されない。
- 現地でのカード支払いでは、カードポイントがつく場合も
- サポートが日本語で行われることが多く、また紛失時も現地で即日発行可能な場合もあります。
デメリット
- 独自レート適用でミッドマーケットより1.5%ほど悪化
- ショッピング利用では、手数料が約3.85%ほどかかってしまう。
- 繰り上げ返済しないと、年利18%の暴利を払う必要があるので、いち早く返済する必要がある。
- ATM手数料がかかります。
ご利用金額1万円以下:110円(税込)/件
ご利用金額1万円超 :220円(税込)/件
4. 実践!10万円をATM現地通貨引き出し費用比較(2025年8月最新)
以下の条件で比較表を整理しました。また1月3万円までならWISEが若干有利になるのですが、現実的ではない為以下の想定としております。
- 市場平均ミッドマートレート:1円=0.2198バーツで計算
- WISEカードは10万円をATMにて引き出す前に現地通貨口座へ両替する。
- クレカの両替手数料は、1回の利用で220円必要です。
- WISEカードATM手数料は220バーツ負担
- クレカはATMの現地手数料は無料(免除扱い)
項目 | WISEカード | クレカ |
---|---|---|
両替レート | 0.2198バーツ/円 | 0.2165バーツ/円 (1.5%悪化計算) |
両替手数料 | 840円 (10万x両替手数料0.84%) | 220円 |
両替対象額 | 99,160円(100,000-840) | 99,780円(100,000-220) |
バーツへ | 21,795 THB | 21,602THB |
ATM手数料 | 220 THB | 0 THB |
受取THB | 21,575 THB | 21,602THB |
予想に反して、クレカの方が、27THB、日本円で約124円ほど多く取得できる結果となりました。
ただ注意が必要なのはクレカでは、必要となる年利18%の日割り額が計算に含まれておりません。年利18%で、10万円だと1日49円の利息が発生します。
借入情報がカード会社に7日で届くとして、その時点で繰り上げ返済をすると利息が345円となります。
そこまで考えるとWISEカードが手間がなくお勧めとなります。
キャッシングの繰り上げ返済は、意外と面倒なんです。
実際にはコールセンターに振込額を確認して、その金額を振込先に振り込みます。
せっかくのバケーション中の時間を使うのも嫌ですし、帰国後につかれた体で繰り上げ返済するのもなかなか辛いんですよね。
5. 実践!10万円ショッピングしてカード払いした場合
以下の条件で比較表を整理しました。
- 市場平均ミッドマートレート:1円=0.2198バーツで計算
- WISEカードは10万円をATMにて引き出す前に現地通貨口座へ両替する。
- クレカのショッピング事務手数料を3.85%とする
- クレカはATMの現地手数料は無料(免除扱い)
項目 | WISEカード | クレカ |
---|---|---|
両替レート | 0.2198バーツ/円 | 0.2165バーツ/円 (1.5%悪化計算) |
両替手数料 | 840円 (10万x両替手数料0.84%) | 3850円 (10万x事務手数料3.85%) |
両替対象額 | 99,160円(100,000-840) | 96,150円(100,000-3,850) |
受取THB | 21,795 THB | 20,816 THB |
ショッピングは、WISEカードの方が、979THB、日本円で約4,491円ほど多く取得できる結果となりました。
こちらはかなりの差が付きましたね。
6. メリット・デメリットまとめ
WISEカード | クレカ | |
---|---|---|
レート | 市場に近いミッドレート | ミッドレートより約1.5%悪い |
手数料 | 0.84%〜0.89% | ご利用金額1万円以下:110円/件 ご利用金額1万円超 :220円/件 |
ATM手数料 | 220 THB | 0 THB |
可視性 | アプリで資金管理、レート明記 | 発行会社により手数料・還元差 |
その他 | 旅行者向け。多通貨残高でレート固定でき安心 | カード還元あり・緊急用サブにも |
7. 結論
タイでしはらいするなら…
- ATMキャッシングは、WISEカードでも、クレカでも大きな違いはありませんでした。好みで使おう
- ATMキャッシング利用時はまとめて引き出しが節約のコツ。
- ショッピング等で、現地通貨で直接使えるならWISEカードで直接デビット決済する(配車アプリ、ホテル代など)
- タイでWISEカードによるATMキャッシングしない場合、リアルカードは不要なので、アカウントを作ってバーチャル運用がおすすめ。(カード発行には1200円かかるため)
- レートの良いときに、WISEカードでTHBへ変換しておきましょう。
- 大量に現金を一度に下ろす予定なら各社条件を事前に比較し、「無料枠」「還元特典」「為替固定」「現地ATM手数料」の有無を必ずチェック!
8. Q&A
- Q: どちらをサブ・メインにすべき?
A: 通常利用はWiseカード、トラブル時のバックアップとしてクレカの組み合わせが安心です。 - Q: ATM手数料免除のクレカはどう判断する?
A: 発行会社公式サイトやキャンペーンページで「海外ATM手数料」「キャッシング利用条件」を要確認。
Wiseの多通貨管理と透明レート、クレカの特典やサポート。場面によって賢く使い分けて、旅も出張もストレスフリーな現地通貨調達を!
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