会議中、「今の横文字、どういう意味だっけ…」と聞けずに固まった経験、ありませんか。海外旅行で相手の言葉が全然わからず、スマホの翻訳アプリを慌てて開いた経験は。
私にはどちらもあります。だからこそ、話題のAIグラス「Even G2(EvenG2)」に飛びつきました。屋外でも仕事でも使い倒したかったので、サングラスアタッチメントもセットで購入。普段はシステムエンジニア(SE)をしています。
「会議のメモや要約に使えるかもしれない」「海外旅行の翻訳機代わりになるかもしれない」。そんな実用面への期待は半分、「単純に面白そう」というガジェット欲が半分。結局、両方に負けました(笑)
しばらく実際に使ってみたので、正直な感想を全部書きます。飾らずお伝えします。
この記事でわかること
- Even G2の基本スペックと価格
- 会議・仕事で本当に使えるかの本音レビュー
- ライブ翻訳やナビなど、機能ごとのメリット・デメリット
- 競合スマートグラスとの比較
- 10万円超えの価格に見合うのか、という結論
EvenG2とは?基本スペックと価格を先にチェック
まずは基本情報から。購入を迷っている方は、ここだけ見れば大枠がつかめるはずです。
- メーカー:Even Realities(中国発、スマートグラス専門のスタートアップ)
- 本体重量:約35g。普通のメガネとほとんど変わりません
- バッテリー:通常使用で約1.5〜2日。専用ケースを使えば最大7回分の充電が可能
- 参考価格:約10万円前後(公式サイトは659ドル、国内量販店だと99,800円前後)
- 度付きレンズ:単焦点・遠近両用ともに対応。普段メガネの人もそのまま移行できます
- スマートリング「Even R1」:操作範囲を広げるオプション。別売りで約4万円
カメラは搭載していません。その代わり、緑色に光る「MicroLED」というごく小さなディスプレイと、音声AIによる会話サポートに全振りしているのが特徴です。この割り切った設計が、後で紹介するメリット・デメリットにも大きく響いてきます。
なぜEvenG2を購入したのか?

日々こなす会議の数は、正直かなり多いです。「リアルタイムでメモを取れたら」「専門用語をその場で調べられたら」と思うことがしょっちゅうありました。プライベートでは海外旅行にも行くので、ハンズフリーで翻訳画面が見られたら便利だろうな、という期待もありました。
AIグラス、いわゆるスマートグラスというジャンルは、最近続々と新製品が出ています。でも正直、いかにも「ガジェットです」という見た目だったり、バッテリーが半日も持たなかったりと、日常使いにはまだ厳しいものが多い印象でした。そんな中で、実用性と普段使いのしやすさを両立していそうだったのが、今回のEven G2です。
EvenG2を選んだ3つのポイント
数あるAIガジェットの中から、なぜEven G2を選んだのか。理由は3つあります。
- 見た目が普通のメガネ・サングラスと変わらない
「カメラとディスプレイ、仕込んでます」感が丸出しのAIグラスだと、正直、職場や街中でつけるのは気が引けますよね。Even G2はそこがうまい。デザインがスマートで、言われなければAIグラスだと気づかれません。サングラスを合わせると、むしろかっこいいくらいです。 - デザインが良くて、とにかく軽い
毎日使うものだから、重さは妥協できません。Even G2は軽量設計なので、長時間つけていても耳や鼻が痛くなりにくいんです。 - バッテリーが2日以上持つ
スマートグラスの弱点といえばバッテリー。でもEven G2は普段使いで2日以上もちます。毎日充電を気にしなくていい。このストレスのなさは、想像以上に大きかったです。
この3つが揃って、ようやく「毎日無理なく身につけられるAIグラス」になる。Even G2は、そのハードルをしっかりクリアしていました。
【機能別】実際に使ってみての正直な所感

ここからは、実際に触ってみて感じたことを機能ごとに紹介します。
1. 会話サポート(会議要約・議事録・専門用語解説)
会議中のやり取りを、リアルタイムでサポートしてくれる機能です。
- 専門用語のリアルタイム解説(★これは高評価!)
会議中に知らない専門用語が出てくると、その意味をサッとディスプレイに表示してくれます。特に助かるのが、コンサルタントの方がよく使う「意味不明な横文字」が飛び交う会議。知ったかぶりせず、その場で意味を確認できるのはSEとしても地味にありがたいです。 - 会議後の自動要約は、正直イマイチ
会議が終わると、内容を自動要約して簡易的な議事録を作ってくれます。ただ、精度はまだ発展途上。文脈の拾い方や重要ポイントの抽出には、もう一歩物足りなさを感じます。 - 一番のネックは「要約が再利用しにくい」こと
AIの要約機能そのものは、正直かなり魅力的です。問題は出力方法。要約データはスマホの中に保存され、他の場所で使い回そうとするとPDF・Docx・TXTへのエクスポートしかできません。しかも毎回、律儀に「ファイル」として書き出す必要があります。クリップボードにサッとコピーして貼り付ける、という発想自体がないんです。
Markdown形式でクリップボードにコピーできたら、どれだけありがたいか。今の仕様だと、情報を使い回すたびにひと手間かかって、地味にストレスがたまります。ワンクリックコピーとMarkdown出力にさえ対応してくれれば、他のAIツールとの連携が一気にスムーズになるはず。ここが変わるだけで、ビジネス用途としての化け方が全然違ってくると思います。 - TODOリストの提案は便利、でも連携先が閉じている
会議内容からTODOリストを提案してくれて、アプリの要約画面から専用の「クイックリスト」へ連携もしてくれます。ただし確認できる場所は、スマホアプリとEvenグラスの中だけ。普段仕事で使っているTodoリスト(OutlookやTodoistなど)につながってくれたら、もっと使い倒せるのになと感じました。 - 地味に困る「意図せぬ会議モード」
操作を誤って会議モードに入ってしまうこと、実はちょいちょいあります。困るのは、何も話していない空っぽの会話まで律儀に「会議記録」として保存されてしまうこと。中身が空なら、わざわざファイルを作らないでほしい……というのが正直な本音です(笑)。あとで見返すと空の記録ばかり並んでいて、ちょっとしたゴミ掃除が発生します。
2. ライブ翻訳(リアルタイム通訳機能)
目の前の相手の発言を、その場で翻訳して画面に表示してくれる機能です。
- 応答速度は、正直ちょっと遅い
表示までに、体感で一呼吸分くらいのタイムラグがあります。会話のテンポが早いと、ワンテンポ遅れてついてくる感じです。それでも内容自体はしっかり読み取れるので、海外旅行や外国語での会話では、間違いなく心強い味方になってくれるでしょう。 - 実は英会話レッスンでも大活躍
海外旅行だけでなく、日々の英会話レッスンでもライブ翻訳を使っています。多少のタイムラグはあるものの、助けられる場面は本当に多いです。できれば翻訳だけでなく、自分の発言の文法ミスを指摘してくれたり、レッスンの重要ポイントを後でまとめてくれたりすると、学習ツールとして一段階化ける気がします。この「学習支援」の方向への進化、地味に期待しています。
3. テレプロンプト(原稿表示機能)
画面上に原稿やメモをスクロール表示できる機能です。プレゼンやスピーチの台本を、目線を動かさずに読める仕組みだと思ってください。
- 正直、出番はあまりない
面白い機能ではあるんですが、実際の仕事の会議は事前に用意したプレゼン資料をそのまま画面共有して話すスタイルがほとんど。そうなると、テレプロンプトの出番は意外と少なくなります。 - 原稿の登録方法も、まだ不便
登録できる形式はPDF・Docx・テキストの3種類のみ。PCでチャットに書いた文章をクリップボード経由でパッと貼り付けられたら便利なのですが、今のところかなり面倒な手順を踏む必要があります。この手間を考えると、「押しの機能」として推されている割に、日常的に使いこなしている人がどれだけいるのか、正直ちょっと疑問です。
4. ナビゲート(道案内・マップ機能)
歩いているときに、目的地までの道案内を表示してくれる機能です。
- Googleマップにはまだ及ばない
Googleマップが使えないため、地図自体の見やすさや情報量がいまいちで、目的地を探すのに毎回苦労しました。Even G2は中国メーカー製ということもあり、この仕様になっているのだと思います。同じAIグラス系のRokid(ロキッド)はGoogleマップに対応しているそうなので、そこと比べるとまだ改善の余地は大きいです。
5. ニュース機能
電車の中などで、ニュースや株価をチェックできる機能です。
- 正直、スマホで十分
電車内でサッとニュースや株価を確認できるのは便利です。とはいえ、スマホの方が圧倒的に見やすく操作もしやすいので、わざわざグラス側で見る意味は薄いかもしれません。おまけ機能くらいに考えておくのがちょうどいいと思います。
良かった点(メリット)
- デザイン性と軽さ:普通のメガネ・サングラスとして使える見た目
- バッテリー寿命:2日以上持つ、安心の長さ
- 専門用語のリアルタイム解説:コンサル用語(意味不明な横文字)も怖くない
- ライブ翻訳の汎用性:海外旅行だけでなく、日々の英会話レッスンでも役立つ
- 度付きレンズ対応:普段メガネの人でも移行しやすい
- 総合力:普段使いしても違和感のない、デザイン・軽さ・バッテリー持ちのバランス
悪かった点(デメリット・注意点)

- 要約の精度:会議要約・議事録の精度が、まだ甘い
- 出力の不便さ:クリップボードに直接コピーできず、Markdown出力にも非対応。再利用に手間がかかる
- TODO連携の弱さ:アプリとグラスの中で完結していて、仕事用のタスク管理ツールと連携できない
- 誤操作のリスク:会議モードに入りやすく、空の会話でもファイルとして保存されてしまう
- 翻訳のラグ:ライブ翻訳に、多少のタイムラグがある
- テレプロンプトの手間:原稿登録がPDF・Docx・テキストのみでクリップボード貼り付け不可。そもそも使う場面が少ない
- ナビの精度不足:マップ精度が、Googleマップに比べて見劣りする
- ニュース機能の存在意義:結局、スマホで見た方が早くて見やすい
競合スマートグラスとの比較

このデメリット、Even G2固有の弱さなのか、それともAIグラスというジャンルそのものがまだ発展途上なだけなのか。気になったので、代表的な競合機種とも比較してみました(参考:AI Watchのレビューでも同様の傾向が語られています)。
高額商品なので、車を購入するときのように私もかなり吟味しましたよ。
| 機種名 | 概要 | 主な特徴・表示方式 | 重さ | バッテリー持続時間 | 直近の参考価格 (税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| Ray-Ban Meta | カメラと音声AIに特化した、Meta社とレイバンによるスマートグラス。撮影とAIアシスタントとの音声対話が中心で、画面表示は非搭載。 | カメラ+音声AI (画面表示なし) | 約50g〜52g | 単体:最大約4時間 (ケース併用で最大36〜48時間) | 約 $299 〜 (日本未発売 / 並行輸入 約5万円〜) |
| SOLOS AirGo 3 | 音声アシスタントと翻訳機能に特化したオーディオ型スマートグラス。カメラや画面表示はなく、ランニングなどスポーツ用途にも強い。 | 音声・翻訳特化 (カメラ・画面表示なし) | 約30g〜35g | 連続再生:最大約10時間 通話:最大約7時間 | 31,900円 〜 39,800円 |
| SABERA | 緑色MicroLEDによる単眼ARディスプレイを搭載し、文字起こしやナビ表示など軽量な情報表示に特化したモデル。クラウドファンディング発の国産機種。 | 緑色MicroLED (単眼AR) (文字起こし・ナビ等) | 約37g | 通常稼働:約8時間 (常時表示時:約3時間) | 92,400円 (クラファン早割 約6.7万円〜) |
| Rokid Glasses | 両眼MicroLEDディスプレイを搭載し、AIカメラ・音声認識・画面表示を統合したARグラス。Googleマップにも対応しナビの使い勝手が良い。 | 緑色MicroLED (両眼AR) (AIカメラ・音声・画面表示) | 約49g | 連続使用:約4時間 (ケース併用で終日使用可能) | 約 $599 〜 (日本国内 約8万円前後) |
| Even Realities Even G2 | 両眼MicroLEDディスプレイを薄型筐体に収めた、日常使い重視のAIグラス。会議要約・ライブ翻訳・ナビなど幅広い機能を搭載(今回レビューした機種)。 | 緑色MicroLED (両眼AR) (日常使い向け薄型設計) | 約35g | 通常使用:約1.5〜2日間 (ケース充電で最大7回分) | 約 $599 〜 (日本並行輸入 約9万円前後) |
こうして並べてみると、「軽さ」と「バッテリー持ち」を両立できている点で、Even G2は頭一つ抜けています。一方、ナビ機能ではGoogleマップ対応のRokid Glassesに軍配が上がりそうです。つまり、要約や出力周りの物足りなさはEven G2固有の課題で、ナビの弱さは「Googleマップが使えない中華系AIグラス全般」に共通する課題、ということになりそうです。用途によって選ぶべき機種は変わってくると感じました。
結局、10万円超えの価値はあるのか?リングは必要?
Even G2の価格は10万円を超えます。デザイン・軽さ・バッテリー持ちを考えれば、「仕事への投資」としてはアリだと感じました。ただし「そこまで有用か」と聞かれると、正直、微妙なところです。これが率直な感想です。
専用のスマートリング「Even R1」は、今回購入していません。あれば操作できる範囲が広がるようなのですが、そのためだけに追加で約4万円を払うのは、正直高すぎると感じて見送りました。
よくある質問(FAQ)
Q. EvenG2は度付きレンズに対応していますか?
単焦点レンズ・遠近両用レンズ、どちらにも対応しています。普段メガネをかけている方も、処方データをもとに度付きレンズへ変更してそのまま使えます。
Q. EvenG2でGoogleマップは使えますか?
使えません。独自のナビ機能のみで、地図の見やすさや情報量はGoogleマップに劣ります。ナビ精度を重視するなら、Googleマップに対応したRokid Glassesなど他機種も検討してみてください。
Q. スマートリング「Even R1」は必須ですか?
必須ではありません。グラス本体のタッチパッドや音声操作だけでも、基本機能は問題なく使えます。ただしリングがあると操作範囲が広がるので、頻繁に使う方は検討する価値ありです(別売り約4万円)。
Q. 海外旅行での翻訳には、どれくらい使えますか?
レスポンスに多少のタイムラグはあるものの、実用レベルで十分役立ちます。海外旅行だけでなく、日々の英会話レッスンでの活用にも向いています。
Q. 会議の要約データを、他のツールと連携できますか?
今のところ、PDF・Docx・TXTでのファイル出力のみ。クリップボードへの直接コピーやMarkdown出力には対応していません。外部のTodoリストや他のAIツールとの連携も、まだこれからといったところです。
まとめ:Even G2はこんな人におすすめ
Even G2を実際に使ってみて出した結論は、ひと言でまとめるなら「ハードウェアは合格点、ソフトウェアはまだこれから」です。
見た目の完成度、軽さ、バッテリー持ち。ハードウェアの出来栄えは、正直かなり素晴らしいです。普段使いしても気にならないデザインで、日常に自然と溶け込んでくれます。一方で、要約や出力まわりの使い勝手、ナビの精度といったソフトウェア・AI連携の部分には、まだ伸びしろがたくさん残っています。10万円という価格を踏まえると、「仕事の武器として割り切るならアリ、万人におすすめできるかというと微妙」というのが、正直な着地点です。
- おすすめしたい人:会議の多いビジネスパーソンで、新しいツールを試すこと自体が好きな方。海外旅行や語学学習でハンズフリー翻訳を使いたい方。ガジェット好きで「未来の働き方」を先取りしたい方
- まだ早いかもしれない人:会議の要約や議事録を、社内ツールできっちり管理したい方。Googleマップ前提でナビを使いたい方。コストパフォーマンスを最優先で考える方
とはいえ、専門用語をその場で表示してくれる会話サポートや、旅行だけでなく日々の英会話レッスンでも頼れるライブ翻訳。どちらも「未来の働き方・学び方・旅行のスタイル」を、確かに体感させてくれるガジェットでした。ファームウェアやアプリの進化次第で、まだまだ化ける可能性を秘めていると思います。AIグラスが気になっている方、アーリーアダプター気質のSEやガジェット好きの方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

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