使い慣れたメモアプリなのに、なんとなくモヤモヤが消えない。そんな感覚、ありませんか?
私は約10年前から、Scrapbox(現Helpfeel Cosense)に仕事や個人的なメモを書き溜めてきました。今回はその私が、Obsidianへの移行を決めるまでの話をします。長年愛用してきた理由。数年前に一度乗り換えを試みて挫折した話。そして最終的に移行を決めた3つのきっかけまで、包み隠さずお伝えします。
正直に言うと、移行作業はかなり手間がかかりました。ScrapboxのデータをMarkdownに変換する作業、GitHubでのファイル同期構築でつまずいた話。どちらもリアルな失敗談込みでまとめています。
最近ブログ更新が滞っていた原因はこれであります(笑)
この記事でわかること
- Obsidianの基本と、Scrapboxとの違い
- Obsidianの始め方(インストール〜ノート作成)
- ScrapboxからObsidianへ移行する具体的な手順とつまずきポイント
- GitHubを使った無料のファイル同期構築方法
- 移行して分かったメリット・デメリット
「Obsidianに興味はあるけど、移行って実際どうなの?」そう思っているなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
Obsidianとは?Scrapboxとの違いを簡単に解説
Obsidianの特徴
Obsidianは、Markdown(見出しや太字などを記号だけで表現できる、シンプルな文書の書き方)でノートを作成・管理できるアプリです。最大の特徴は、すべてのノートがローカル環境にファイルとして保存されること。クラウド型のWebアプリとは違い、1つ1つのノートが独立したテキストファイルとして扱われます。だから他のツールへの流用や加工がしやすいんです。
代表的な機能に、ノート同士をリンクでつなげる「双方向リンク」があります。たとえば「AI」というノートから「Obsidian」というノートへリンクを貼ってみてください。今度は逆に「Obsidian」のノートを開いたとき、「AIから参照されている」ことが自動的に表示されます。関連するメモ同士を後から発見しやすくなるわけです。こうした使い方は「PKM(Personal Knowledge Management/個人的知識管理)」や「セカンドブレイン」と呼ばれる考え方とも相性がいいと言われています。
さらに近年はAIとの相性の良さでも注目を集めています。マークダウン形式のプレーンテキストなので、生成AIによる要約・検索・自動整理と組み合わせやすいんですよね。
Scrapbox(現Helpfeel Cosense)との主な違い
ここで少し補足を。Scrapboxは2024年5月に「Helpfeel Cosense」へサービス名が変わりました。旧URL(scrapbox.io)からアクセスしても自動転送されるので、サービス自体がなくなったわけではありません。この記事では、当時から使い続けてきた経緯もあり、あえて「Scrapbox」の呼び方で統一します。
両者の最大の違いは、データの保存場所です。Scrapboxはクラウド上でデータを一元管理するWebアプリ。一方Obsidianは、ローカルのテキストファイルとしてノートを管理します。この違いが、動作速度やマルチデバイス対応のしやすさに直結してくるんです。
Obsidianの始め方|インストールからノート作成までの3ステップ
「Obsidianって難しそう」。よく聞く感想ですが、実は導入自体はとてもシンプルです。初めて触る方向けに、基本の始め方をサクッと紹介します。
ステップ1:公式サイトからダウンロード
Obsidian公式サイトから、Windows・Mac・Linux・iOS・Android向けのアプリをダウンロードしましょう。個人利用なら無料で使えます。
ステップ2:Vault(保管庫)を作成する
Obsidianでは、ノートを保存するフォルダを「Vault(保管庫)」と呼びます。初回起動時に「新しいVaultを作成」を選ぶと、指定したフォルダがそのままノート置き場に。このフォルダがローカルファイルとして残る仕組みが、後で紹介するマルチデバイス対応の話にもつながってきます。
ステップ3:最初のノートを書いてみる
Vaultができたら、あとは新規ノートを作って自由に書き込むだけ。見出しやリスト、太字といった基本の書式は公式ヘルプの書式構文ガイドにまとまっています。慣れないうちは、これを見ながら書いてみるのがおすすめです。
ここまでは、単体で使う分にはあっという間に終わります。ただ、複数のPCやスマホから同じノートを見たいなら、この後に紹介する同期の仕組みが別途必要になります。私が数年前にObsidianを見送ったのも、まさにここでつまずいたからでした。
10年愛用したScrapboxの魅力と、感じていた物足りなさ
Scrapboxを使い続けてきた理由は、はっきりしています。高速な動作、どこからでもアクセスできる利便性、管理のしやすさ。この3拍子が揃っていたからです。ブラウザさえあればすぐにメモを開ける。思いついたことをその場で書き留められる。この「素早さ」こそが、10年間手放せなかった一番の魅力でした。
一方で、正直に言うと物足りなさもありました。装飾やレイアウトの自由度はそれほど高くありません。「もう少し見た目を整えて、資産として残せるノートにしたい」。そんな気持ちが、年々強くなっていったんです。
実は数年前、Obsidianが話題になったタイミングで一度試してみたこともあります。ただ当時のObsidianはローカルでのファイル操作が前提のツール。複数のPCからの編集も、スマートフォンでの確認もスムーズにできませんでした。だから、そのときは導入を見送っています。
Obsidian移行を決めた3つのきっかけ
一度は見送ったObsidianへの移行。今回改めて決意したきっかけは、大きく3つあります。
1. AIとの相性が良いこと
Obsidianはマークダウン形式でファイル保存されるため、AIとの相性が非常にいい。これが大きなきっかけの一つでした。プレーンテキストは、生成AIに読み込ませたり要約させたりする上でも扱いやすい形式です。AIツール自体にまだ馴染みがないなら、AI初心者はPerplexityをまず使え!徹底解説も覗いてみてください。AIとメモの組み合わせが、ぐっとイメージしやすくなるはずです。
2. 動作の速さ
Scrapboxより高速に動作するという情報も、背中を押してくれました。ローカルファイルを扱う仕組みなら、Webアプリのような通信待ちが起きにくい。これは想像以上に大きな魅力でした。
3. 無料でファイル同期が組めること
GitHubを使えば、Scrapbox同様に「どこからでもアクセスできる」環境が無料で作れる。この発見が一番大きかったです。以前見送った最大の理由、つまりマルチデバイス問題を解決できる見込みが立ったからです。「今度こそ移行してみよう」。そう決意した瞬間でした。
移行で一番大変だったこと:ScrapboxのJSON→Markdown変換
ScrapboxからObsidianへの移行で、一番苦労したのはデータ変換でした。
Scrapboxのノート出力形式はJSON。そのままではObsidianで扱えません。世の中には変換ツールもいくつかあるので使ってみたのですが、ここで想定外の壁にぶつかりました。長年の運用の中で、Scrapbox独自の記法をかなり使い込んでしまっていたんです。既存の変換ツールだけでは、うまく変換しきれない部分が結構出てきました。
結局どうしたか。既存ツールで一度変換した後、自作スクリプトで再度変換するという力技で対応しました。これでなんとかいい感じの状態に仕上がりました。
助かったのは、Obsidianでは1ノートが1ファイルとして管理される仕組みです。おかげで変換後の見直しや二次加工がしやすく、随分と楽ができました。ノートの量が多い人ほど、変換作業には時間の余裕を見ておくことをおすすめします。
GitHubでファイル同期環境を無料構築する方法
ファイルの同期には、GitHubを使うことにしました。
GitHub以外の同期方法という選択肢
同期方法はGitHub以外にもあります。Obsidian公式の有料同期サービス。DropboxやiCloud Driveといったクラウドストレージ。どちらも選択肢に入るでしょう。今回GitHubを選んだ理由は「無料で完結させたい」「ついでにGit操作のスキルも身につけたい」から。Git操作に抵抗がない方や、すでにGitHubアカウントを持っている方には特におすすめの方法です。
コンフリクトとの戦い
正直に告白します。Gitの操作に慣れていなかったこともあり、コンフリクトが出まくりました(笑)。コンフリクトというのは、同じファイルを別々の場所で編集してしまい、変更内容がうまく合体できなくなる現象のこと。詳しい解決手順はGitHub公式のマージコンフリクト解決ガイドにも載っています。ただ実際に自分の環境で発生すると、そう簡単には片付いてくれないものですね。
AIと何度も相談し、試行錯誤を重ねました。ようやく安定稼働にこぎつけたときは、正直ほっとしました。大変でしたが、Git操作のスキルアップにもなりましたし、なにより運用コストは実質永久にゼロ円。安い買い物だったと思っています。
移行して感じたメリットと、今も残る悩み
結果はどうだったか。やはりWebアプリのScrapboxとは違い、Obsidianはサクサク動きます。ローカルファイルベースならではの軽快さ。これが移行して一番実感したポイントでした。
ただし、悩みも残っています。起動時にGitHubへの同期処理がかかるので、そこで若干のもたつきを感じることがあるんです。ファイルの格納場所を1つに集約し、いろいろな場所から参照するScrapboxの仕組み。対してローカルのファイルを技術で同期させているObsidianの仕組み。この違いから来る、ある種避けられない不便さだと理解しています。
以前、AIグラス「Even G2のレビュー記事」を書いたときも、似たような不満点を挙げました。会議要約データがMarkdown出力に非対応で、使い回しにくいという話です。Markdown形式は今や、AIツールとのデータのやり取りにおける「共通言語」になりつつある。そう感じています。Obsidianを選んだ理由の一つも、まさにこの点にありました。
ObsidianとScrapbox(Helpfeel Cosense)を徹底比較
| 項目 | Obsidian | Scrapbox(Helpfeel Cosense) |
|---|---|---|
| データ保存形式 | Markdown(ローカルファイル) | JSON(クラウド) |
| 動作速度 | 高速(ローカル処理) | Webアプリのため通信が発生 |
| マルチデバイス対応 | 同期環境を自分で構築する必要あり | 標準でどこからでもアクセス可 |
| AIとの相性 | 非常に良い(プレーンテキスト) | 独自形式のため連携しづらい |
| カスタマイズ性 | プラグイン・テーマが豊富 | シンプルで拡張性は限定的 |
| 導入コスト | 変換・同期環境の構築に手間がかかる | 導入後すぐに使い始められる |
こんな人にObsidianはおすすめ
- 表現力のある綺麗なノートを作りたい人
- AIとメモを連携させて活用していきたい人
- 動作の軽さを重視したい人
- ある程度Gitやローカル環境の扱いに抵抗がない人
逆に、とにかく手間なく複数デバイスから使いたいという人には、少しハードルが高いかもしれません。同期環境の構築が必要になるからです。使っているPC自体のスペックが気になる方は、「パソコンはもう成熟期!最新機種を買わなくても全然問題なしの理由」も読んでみてください。Obsidianはそれほど高いスペックを要求しないので、今お使いのPCで十分快適に動きますよ。
よくある質問(FAQ)
Q. ObsidianはScrapbox(Helpfeel Cosense)と比べて初心者にも使いやすいですか?
A. 基本的なメモ機能だけなら、Obsidianも直感的に使えます。ただし複数デバイスでの同期環境を整えるには、ある程度の技術知識が必要になることも。Scrapboxのような手軽さを最初から求めるなら、事前に同期方法を調べておきましょう。
Q. ScrapboxのデータをObsidianへ移行するにはどうすればいいですか?
A. Scrapboxの出力形式はJSONなので、そのままでは使えません。既存の変換ツールである程度は対応できますが、独自記法を多用している場合は変換しきれないことも。その際はスクリプトによる再変換が必要になります。
Q. Obsidianのファイル同期は無料でできますか?
A. GitHubなどの無料サービスを使えば、追加費用なしで複数デバイス間のファイル同期環境を構築できます。ただしGit操作に不慣れだと、コンフリクトが起きやすいので要注意。Obsidian公式の有料同期サービスや、Dropbox・iCloud Driveといったクラウドストレージという選択肢もあります。
Q. Obsidianはスマートフォンでも使えますか?
A. iOS・Android向けの公式アプリがあり、スマホからもノートの閲覧・編集ができます。ただしPCと同じ内容をスマホでも見たいなら、GitHubや公式同期サービスなどでファイルを同期させる設定が別途必要です。
Q. Obsidianは動作が本当に速いのですか?
A. ローカルファイルを直接扱う仕組みなので、Webアプリと比べて表示や編集のレスポンスは高速です。ただしGitHubなどで同期処理をしている場合、起動時の同期タイミングで少し待たされることがあります。
まとめ
結論から言います。多少の移行コストを払ってでも、Obsidianに乗り換える価値は十分にありました。
10年間お世話になったScrapbox(現Helpfeel Cosense)から、Obsidianへの移行。正直かなり手間のかかる作業でした。JSON→Markdownの変換、GitHubでのコンフリクト対応。地味に苦労したポイントは山ほどありました。
それでも移行してみると、動作の軽快さやAIとの相性の良さは想像以上でした。「もっと早くやればよかったかも」。そう感じる瞬間さえあります。GitHubを使えば同期環境も実質永久無料で組めるので、コスト面でも十分納得できる選択でした。
いったん環境面では落ち着いたのですが、これから学んでいくこと、マークダウン、GitHub、AIによる修正など、沢山あり当分楽しませてもらえそうです。
冒頭で書いた「なんとなく消えないモヤモヤ」。私の場合、その正体は表現力への物足りなさでした。サクサク動く環境で、表現力のあるノートを。しかもAIと連携させながら管理したい。そんな方は、一度Obsidianを試してみてください。あのモヤモヤ、きっと晴れますよ😊
また、皆さんはどんなメモツールを使っているでしょうか。良いものがあれば教えてもらえると嬉しいです。

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